SLIDE C MIX ~3rd season

音楽と読書、仕事も恋も。

愛をもって

読み終えました。

 

ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)

 

辻村深月の本は、どれもいい。

どれもいいけど、今の私にとってのベストはこの一冊だ。

 

不思議な力を持った小学4年生の“ぼく”が幼馴染みの女の子を救うために戦う物語。

一言でいえば確かにそう。

 

元々、私は辻村深月の本はいくつか持っていたけど、この本は持っていなかった。

それはなぜか。

“大人”である私がわずか10歳の主人公に感情移入できると思わなかったからだ。

やー、そういう考えは損だね。

登場人物が子供だからって舐めちゃいけないね。

 

感情移入、めちゃめちゃした。

 

 

誰かが死んで、それで悲しくなって泣いても、それは結局、その人がいなくなってしまった自分のことがかわいそうで泣いているのだと。

人間は、自分のためにしか涙が出ないんだと。

 

それは本当か?と“ぼく”が“先生”に訊くシーンがあるのだけれど、それに対する答えがすごく素敵だ。

 

『自分のため』の気持ちで結びつき、相手に執着する。

その気持ちを、人はそれでも愛と呼ぶのだと。

 

そんなふうに答える。

 

 

 

もう誰の許しを請うというのか、

誰に許してもらえば自分のことを許せるのか、

そんなこともわからなくなっている人がいたの。

自ら暗闇で見えない鎖に繋がれているような人だった。

 

私は、その人のことが好きだった。

その人のために何かできたらいいなって思っていたけど、結局何もできなくて、私はその人から離れる道を選んだ。

 

“その人のために何かしたい”

その気持ちに嘘はなかったと思う。

でも、私は離れる道を選んだから“その人”よりも自分のことが大切だったんだなって、離れてみて思った。

 

“その人のために何かしたい”

そんな気持ちは、結局のところ相手のためなんかじゃなくて、暗闇から抜け出して私と一緒にいて欲しいという気持ちだった。

 

自分と一緒にいてほしい。

ただ、それだけだった。

 

 

 たぶん、

“誰かのために何かしたい”=“自分のため”

だとは思う。

 

私は、あの人のことを本当に愛していたのかな。

結局は、自分の“相手のことが好き”という気持ちを押し付けていただけに過ぎないのかな。

 

そんなふうに思ったこともあった。

 

でもね、『自分のため』の気持ちで結びつき、相手に執着する。

その気持ちを、それでも愛と呼ぶのだと。

 

この本がそんなふうに私に教えてくれた。

愛をもっておすすめする一冊です。

 

 

もう、あの頃と同じ気持ちではないけれど、

それでもあの人が幸せになればいいなって祈ってる。

もう私はあの人のために何もできないけれど、たしかに愛していた瞬間があったと思うから。

 

あーw

それにしても秋山先生、大好きです!w